味のあることば 📚
うまく言葉にできないということは、誰にも共有されないということでもあるのだから。つまりその良さは今のところ、わたしだけのものということだ。
「アイスクリーム熱」 収録:川上未映子『愛の夢とか』
『お米を炊いて』新メンバー紹介🍛
みなさん、ゆっくり休んでね
みなさんこんにちは!そしてはじめまして。
今回から一緒にレターをお届けする海里です。
海の日に「海里です」と自己紹介するなんて、恥ずかしいような嬉しいような、くすぐったい気分ですが、出身地は群馬県です。海のない群馬からレターをお届けします。
突然現れた私が誰なのか、気になる方も多いのではないでしょうか。私はごゆるりファミリーの一員として、1〜2ヶ月に1回食堂のお手伝いをしています。「群馬から来ました〜」と挨拶してた人です。
また、ごゆるりファミリーでもありますが、みなさんと同じように、ごゆるりの世界に魅了されているファンのひとりでもあります。
ごゆるりのどこが好きか聞かれたら「自分を大切にできるやさしい場所だから」という答えが1番近いかもしれません。
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私は以前、看護師をしてました。やりがいのある素晴らしい職でしたが、心も体も壊れる一歩手前まで頑張りすぎてしまい、自分の人生を見つめ直して、ゆっくり休みたい。そんな思いから3年勤めた病院を退職しました。
当時はそんな自分を「私は頑張れないダメな人間なんだ」と責めていたのですが、今振り返ると自分にやさしくできないくらい忙しくて、余裕のない日々を過ごしていたのだと思います。
自分のことを大切にしたくて、心地良さを探す旅の中で出会ったのが”ごゆるり”でした。
食堂ごゆるりは、予約してくださった方の事前アンケートをもとに「一生に一度のひとさら」を作ります。春巻きが好きなあの人や、ハンバーグ好きのあの人がいなかったら…ひとさらは完成しません。
自分がいることで完成する、自分の存在を感じられるひとさらに何度も救われて、ごゆるりが自分のことを大切にするきっかけとなったのです。
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時々思うのです。みんな生きてるだけで偉いのに、仕事も勉強も家事も頑張って、頑張りすぎではないですか…!!と。
このレターを読んでくださってる方はきっと頑張り屋さんが多いから、時には休んでほしいなあと勝手に思っています。それではまた。
-Kairi Sumiya @sumiyakani
今週のひとさら🫕
大切な人と、しあわせになるひとさら
あるお客様のアンケートのご回答に「結婚の記念で伺います」と書いてあった。「結婚記念日かな?」と思っていたら、「昨日入籍したんです!」という新婚ほやほやのご夫婦だった。先週も、婚姻届の証人欄にサインをするというご友人と3人で来てくれたカップルがいらっしゃって「毎週会っていたような長い付き合いの大切な友人とお食事をゆったり楽しみたい」と事前アンケートに書いてくださっていた。どうやってごゆるりを見つけてくれたのかわからないけれど、そんな特別な日に、大切な人と一緒に来てくれたことが、本当に嬉しくて仕方がなかった。
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今週はその新婚ご夫婦から「珍しい野菜や、彩り豊かで見た目から楽しいものが食べたい」というリクエストを頂いていて、他のお客様からもカラフルなものが食べたい!というリクエストが多かったので、変わった色の野菜を探していたところ、地元の方(立川)の農家さんの作った紫色のとうもろこしを見つけた。とうもろこしは輪切りにするとひまわりみたいでかわいいから、輪切りにして載せよう!
先週は新婦さんのご友人と新婦さんご自身(親友同士のお二人)の好きなものがかなり重なっていて、本当に仲良しなんだなぁとメニューを考えながら思いつつ、そのお二人の好きなものの一つにあったかぼちゃと、新郎さんのお好きな具沢山の豚汁と掛け合わせて、かぼちゃ入りの具沢山豚汁にした☺︎
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お客さんたちの幸せそうな様子を見ていると、本当に私も幸せで、ごゆるりやってきてよかったなぁと心の底から思う。
これからも、たくさんの感動や、大切な人と共有する、大切な時間を、たくさん届けていきたいと改めて思えた7月前半のごゆるりだった。
-Risa Masaki @risainsea
食と生の民族誌🌞ごゆるりを人類学的に考える
つくるとたべるの思想に向けて
レター『お米を炊いて』は、前身の『ごゆるりレター』を含めて30回目。不定期の配信も入れると40ほどだろうか。
『お米を炊いて』は、私たちにとってごゆるりの思想に想いを巡らせそれをアップデートするための思考そのものであり続けてきた。初めて配信したレターでは、<わたし>と<他者>がともに生きる可能性について、「利他」の概念を紹介しつつ議論した。第二回には、私たちが日常的に口にする「味がある」という言葉について、フードエッセイストの平野紗季子さんの言葉などを引用し立ち止まって考えてみた。「完全でなくてもいい。正しくなくてもいい。自分がいいと思うことを好きにやっていく。するといつしか、誰にもまねできない物語が生まれる。それを味な店と呼んでいる。再現性の低い、物語のある店。」人類学者のアナ・ツィンやレーン・ウィラースレフらの人類学的な議論を足がかりに、自然と人類を無意識的に区別していく我々の思考を疑い、人間にとどまらない多様な存在とともに生きることをテーマとしたこともある。
スローメディアという形をあえて選ぶことには、ごゆるりとして明確な理由がある。普段ランチやりぶごゆるりを通してひと個人と向き合うだけでなく、そこから一歩引いて私たちの実践の意味を問い直すこと。世の中の様々な知恵を学び、ごゆるりの提供するものをより良くしていくこと。そして、ごゆるりを知ってくれている人々と、ゆるい関係性を持ち続けていくこと。
新しいメンバーを迎えるごゆるり。私たちの考える食と生の思想を少しずつ形にするために、これからも少しづつ、とどまることなく言葉にしていきたい。
-Masato Ushimaru @atthegorge
お知らせ📮
・食堂ごゆるりの最新の空席状況は下記となります。たくさんのご予約いただきありがとうございます。皆さまのお越しを楽しみにしております☺️
【食堂ごゆるり最新の空席状況】
7/22(土)お昼のごゆるり→あと2人👈11時or11時半〜
8/5(土)お昼のごゆるり→あと7人
8/19(土)夜のごゆるり→あと14人(イベントあり🍛下記の予約ページに詳細)
8/26(土)夜のごゆるり→あと17人 (イベントあり🍺下記の予約ページに詳細)
・食堂ごゆるりでは「小さな本棚」を公開しています📕ここでは、オーナーRisaやMasatoが影響を受けた本、隔週配信のニュースレター『お米を炊いて』で紹介したものなどをまとめています。ご興味のある方はぜひご覧になってみてください👀