#32 まかなう
味のあることば 📚
ブリコラージュ(器用仕事)という言葉がある。本来はそのために作られたのではないあり合わせのものを寄せ集めて別の何かを作る作業のことである。何かをするときに、手持ちのもの、使い古しのもので器用に間に合わせる。レシピに従って材料をしおろえ、分量を量り、ご馳走を作るというのではなく、冷蔵庫を開けて、そこにある材料で工夫して食事を作る、あのまかない料理がその典型だ。
鷲田清一『濃霧の中の方向感覚』
食堂ごゆるりでは、メンバーおすすめの書籍をまとめた「小さな本棚」を公開しています📕
暮らしの気になるものことコラム🕊
やさしさのレシピ
美味しい料理を作るためのレシピがあるように、感情のレシピがあったらどうなるだろう。ふわふわな卵焼きのレシピとか、コクのあるカレーのレシピみたいに、「心をまろやかにするレシピ」や「自分を許すためのレシピ」があったら面白い。私が感情レシピをつくるとしたら、やさしくなれるレシピをたくさんつくりたい。例えば…
〜疲れたこころを回復させるレシピ〜
材料(いずれかがあれば可)
・今日は自分を甘やかしちゃうもんね〜!という気持ち
・自分のことだけを考える時間(5分あれば良し)
・温かい飲み物
・ホットタオル
・横になれるスペース
下準備
・リラックスできる環境を整える
(横になる、部屋を暗くするなど)
・目を閉じて深呼吸をする
作り方
①ゆっくり深呼吸をしながら、自分のお気に入りの場所をイメージする
②「今日も私はよく生きた」「今日も1日お疲れ様」と、ひたすら自分を褒め褒めする
③上手に自分を褒められない時は、「息してるだけでえらくない?」と言い聞かせる
④お気に入りの温かい飲み物を飲む
⑤ホットタオルで目を労る
(※火傷に注意)
⑥布団に入って眠る
疲れた時や体調を崩した時「栄養のあるものを食べなさい」と言われるのに、心が疲れている時は気合で乗り切ろうとしてしまう人が多い。自分を労って心に栄養を取り入れることは、身体にとっての食事と同じ。生きるための手段であって、罪悪感を抱く必要はないはず。材料だってみんな違って良い。つくる人によって料理の味が変わるように、やさしさもそれぞれのやさしさがあるのだろう。
みんなが持っている「やさしさのレシピ」を見てみたい。
Kairi Sumiya @sumiyakani
ひとことレシピ🍹
季節のフルーツのスムージー
スムージーがある朝はちょっとハッピーになる🍹美味しいフルーツがたくさん出ている夏のうちに、夏の果物を楽しみましょう♪
<材料(2~3杯分)>
・お好みの季節のフルーツ(写真はパッションフルーツ2個分)
└キウイ1個/プラム2個/パッションフルーツ1~2個/パイナップル/桃1個など
・ヨーグルト100~150g
・お好みのミルク(牛乳や調整豆乳など) 100~150ml
・レモン汁:お好みで少々
・メープルシロップ(砂糖でもOK!) :お好みで少々
<作り方>
①フルーツは2cm角程度に切る。
②全ての材料をミキサーにかけて完成!
<アドバイス>
・酸っぱいフルーツの時はレモン汁は入れなくてOK!(パッションフルーツや硬めのグリーンキウイなど)逆に甘いフルーツの時は甘味は足さずでOK!お好みで調整してください♪
Risa Masaki @risainsea
食と生の民族誌🌞ごゆるりを人類学的に考える
まかなう
新生活を始めるというのは大変なことだ。食事や衣類のための様々な家電から、キッチン周りの細かな収納まで、揃えなければいけないものが多すぎる。
こうした人生のちょっとした節目に差し掛かると、日本の日用品マーケットの充実ぶりにいつも驚く。100均ショップに足を運べば、質にこだわらなければ大概のものは揃うし、少しお金を出せば翌日には必要なものが自宅に届く。シャンプーボトルの首を浴室の壁に取り付ける器具も、キッチンの扉に引っ掛ける小さな棚も、「こんなものあったら便利そう」が手のひらのスマホから瞬時に見つかってしまう。
こうした利便性の時代を真っ向から否定するつもりはない。しかし哲学者の鷲田清一は『濃霧の中の方向感覚』で、文化人類学者・川田順造の言葉を借りて、日本文化の持つ固有の思想を起点に、この状況に疑問を表明する。
日本の技術文化の特徴について、文化人類学者の川田順造は「機能が未分化の単純な道具を、人間の巧みさで多様に、そして有効に使いこなそうとすること」と、「より良い結果を得るために、人間の労力を惜しみなく注ぎ込むこと」の二つをあげている(『人類の地平から』)。
ひとつの道具をあらゆる方法で使いこなすのではなく、用途に応じて買い替えたり捨てたりすることが普通になって、使うことのイメージが貧弱になってきたと鷲田はいう。幅広い用途があるはずのものが、その使用範囲を限定され、その枠を外れた瞬間に「ゴミ」になる。ものと私たちの付き合い方は、着実に変化している。
そこにあるもので、人間の想像力と身体性によってやりくりする「まかない」を、私たちは失っていくのだろうか?ブリコラージュが体現してきた自由と創造性は、きっとまだ私たちの中に残っている。冷蔵庫を開けて、そこにあるもので料理を作ってみる。そこから少しずつ始めていきたい。
Masato Ushimaru @atthegorge
お知らせ📮
・食堂ごゆるりの最新の空席状況は下記となります。
8/26の岡崎さんとのコラボもまだ空きが…!👀ご予約お待ちしております✨
【食堂ごゆるり最新の空席状況】
8/19(土)夜のごゆるり→満席
8/26(土)夜のごゆるり→あと10人 (東京オカザキッチンさんとコラボ🍺)
9/2(土)お昼のごゆるり→あと14人
9/9(土)お昼のごゆるり→あと16人
9/16(土)お昼のごゆるり→あと16人
923(土)お昼のごゆるり→満席